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SS山岳部隊

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    2010.01.21 | Photo Equipment

    Photo equipment


    当隊では活動記録をデジタルカメラだけでなく、当時のSS戦争報道部隊(SS-Kriegsberichter : SS-KB)が使用していたものと同型のフィルムカメラも用いて撮影している。

    SS-KBで使用された撮影機材としては、隊員の証言や、彼等自身を撮影した写真に写り込んでいたものから、LeicaやContaxといったドイツ製の35mmカメラ等が使われていたことが知られていたが、近年、支給機材一覧を記したドキュメントが発見され、彼等の撮影機材に関する研究は大きく進展することになった。
    その一例として、クルトエッガース連隊のノイマンSS少尉に支給された機材を紹介すると、

    1 Leica Nr.347514(Leica IIIb)
    1 Hektor Leitz 2.8cm Nr.531118(Leica用28mmレンズ)
    1 Elmar 3.5cm Nr.493524(Leica用35mmレンズ)
    1 Summitar 5cm Nr.525053(Leica用50mmレンズ)
    1 Hektor 13.5cm Leitz Nr.575229(Leica用135mmレンズ)
    1 Gegenlichtblende f. Elmar(Elmar 35mm用レンズフード)
    2 Universalsucher(Leica用ユニバーサルファインダー)
    2 Gelbfilter(Leica用黄色フィルター)
    7 Filter(Leica用フィルター)
    2 Gegenlichtblenden(Leica用レンズフード)
    1 Sportsucher(スポーツファインダー)
    1 Wildlederbeutel(Leica用速写ケース)
    1 Optik f. Plaubel 10cm Nr.111493(Makina II、100mmレンズ付)
    1 Weitwinkel f. Plaubel Nr.108477(Makina II用広角レンズ)
    1 Teleobj. 19cm Nr.110136(Makina II用190mmレンズ)
    1 Makina Gegenlichtblende(Makina II用レンズフード)
    3 Makina Gelbfilter(Makina II用黄色フィルター)
    4 versch. Filter(Makina II用フィルター)
    2 Ledertaschen fuer Plaubelfilter(Makina IIフィルター用革ケース)
    2 Rollfilmkassetten f. Plaubel Makina(Makina II用フィルムカセット)
    1 Sucheraufsteckklappe f. Weitwinkel(Makina II用ファインダー取付金具)
    1 Belichtungsmesser Elector-Bewi Nr.3809(Electro Bewi電気式露出計)
    3 Drahtausloeser(ケーブルレリーズ)
    1 Stativzwischenstueck(三脚)
    1 Geraetekoffer (機材収納ケース)

    (山下英一郎著『制服の帝国ーWWIIドイツ軍装写真集1「武装SS」』新紀元社 2005、PP.104-105より)

    35mm判の小型カメラであるLeica IIIbに加え、中判カメラのPlaubel Makina IIも支給されていたことが分かる。恐らく撮影シーンに応じて使い分けていたのであろう。

    このリストに基づき、手持ちのコレクションから該当する機材を集めてみたのが上の写真である。
    Makina II用の広角レンズや望遠レンズ等、まだまだ足りない機材もあるが、当時のロットで程度が良い物を揃えるというのは中々思うように行かないものである。
    しかし、どうせ使うのであれば、確実に当時使われていたことがプルーフされている機材を用いたいと思うので、今後もリストのコンプリートを目指して収集を続けて行きたい。

    Leica IIIb。

    Leicaは軍艦部上に刻まれた製造番号から、機種とロットを調べることが出来る。
    ノイマンSS少尉に支給された、「Leica Nr.347514」は、1939〜40年製造のLeica IIIbである。

    IIIbは、それ迄のIII及びIIIaではそれぞれ別パーツとして離れて配置されていたレンジファインダーとビューファインダーのアイピースが一体型となり、それまでアイピース上にあったレンジファインダー用の視度調整レバーがフィルム巻き戻しノブ基部に移されたのが特徴である。

    Leica IIIb軍艦部。

    当隊のIIIbは、No.347442で、ノイマンSS少尉のものとは72番違いの同一ロットの機体である。
    このロットは1939〜40年にかけて、No.344001〜348500迄の4500台が製造されている。
    SSがどのようにLeicaを調達したのかは不明であるが、E.Leitz社から直接、必要数を纏めて購入していたのであれば、SS-KBで用いられていた可能性も考えられる機体である。

    ウィーンのカメラ店にて購入。

    撮影状態のLeica IIIb。

    標準レンズであるSummitar 50mm f2.0と専用の折りたたみフードを装着し、軍艦部のアクセサリーシューにユニバーサルファインダーをとりつけている。この場合、ピント合わせはLeica本体で行い、撮影範囲はユニバーサルファインダーで確認しつつ撮影する。

    Leica III用速写ケース。

    Leica II〜III、IIIa、IIIb対応の純正革ケースである。
    機体サイズがやや大きくなるIIIc以降の機体には、同デザインで若干大きなものが用意されている。

    Leica用レンズ群。

    左からElmar 35mm f3.5(広角)、Summitar 50mm f2.0(標準)、Hektor 135mm f4.5(望遠)とそれぞれのレンズ用のフィルターとフード。

    ノイマン少尉には広角レンズとして、より画角の広いHektor 28mm f6.3も支給されていた。

    Leica用レンズも製造番号からロットを割り出すことが可能で、ここに写っているレンズとアクセサリーは全て戦前〜戦中ロットの製品である。

    Elmar 35mm f3.5。

    LマウントLeica用の代表的な広角レンズである。
    現在もスナップショット用として人気があり、アダプターをかませてM型ライカ等で使用している人も多い。製造数が多く、市場に多く出回っているが、戦前〜戦中ロットでインジケーターがメートル表示の大陸仕様で且つ程度の良い個体は減りつつある。

    レンズの上に見える黒い物体は、専用のレンズフード「FLQOO」。黒とクロームの2種が生産されたが、黒仕上げのものは稀少。

    レンズの下に並んでいるのはフィルター。一番右のものは当時の枠にUVフィルターをはめたもの。

    Summitar 50mm f2.0。

    LマウントLeica用の代表的な標準レンズ。
    これの後継機種にあたるSummicronは名玉の誉れが高い。

    F値が2.0と当時においては高速レンズの部類で、Elmar 50mm f3.5やSummar 50mm f2.0といった他の標準レンズと比べてシャープな写りになるのが持ち味。

    レンズの上にある黒い板は専用の折りたたみフード「SOOPD」。蓋になっているフード側面部分を外に開くと、押さえられている上下部分がバネ仕掛けで起き上がり、展開する仕組み。

    レンズの下にあるのは専用フィルター。当時の枠にUVフィルターを嵌めている。

    Hektor 135mm f4.5。

    LマウントLeica用の代表的な望遠レンズ。
    レンジファインダー式Leicaでアダプター無しで使えるものとしては、もっとも焦点距離の長いレンズである。

    レンズの上に見えるのが伸縮式フードの「FIKUS」。スライドさせることで、35mm〜135mmレンズ迄対応する万能フードである。

    レンズの下にあるのはフィルター。当時の枠にUVフィルターを嵌めている。

    Leica用ユニバーサルファインダー。

    右は旧型の「VIDOM」。像が左右逆像になる。
    左は新型の「VIOOH」。こちらは正像である。

    日本ではLeica用ユニバーサルファインダーをいずれも「VIDOM(ヴィドム)」と呼ぶ風潮があり、前者を像が逆像になることから「逆像VIDOM」、後者を「正像VIDOM」と呼ぶことがある。

    いずれも足元のダイヤルで被写体までの距離を設定し、本体上のダイヤルを装備しているレンズの焦点距離に合わせることで、レンズの焦点距離に応じた、より視差の少ない視界を得られるよう工夫されている。

    Plaubel Makina II。

    独プラウベル社製の中判カメラである。
    前掲の資料に出会うまで、SS-KBで用いられていたとは思いもしなかた機種である。
    プラウベル社のカメラも製造番号から機種を割り出すことが出来、ノイマンSS少尉に支給された「Nr.111493」は、Makina IIである。

    100mmレンズが装着されているが、35mmカメラでは望遠となるこの焦点距離も、中判カメラでは標準レンズである。ちなみにこの機種では、シャッターはレンズ側に組み込まれている。

    Makina II一式。

    Makina IIのパッケージと内容一式。
    予備のフィルムホルダー、取説等が入っている。

    ノイマンSS少尉には、広角レンズとしてRapid Weitwinkel Orthar 73mm F6.8、望遠レンズとしてTele Makinar 190mm f4.8レンズが支給されていたが、いずれも未入手。
    Leica用レンズと比べると製造数が少ない上に不人気なので、余り市場には出回らない。

    ちなみにプラウベル社は1970年代に「カメラのドイ」のドイグループに買収され、70年代後半〜80年代にかけて、プラウベルブランドのカメラは日本で製造販売されていた。

    Electro Bewi電気式露出計。

    当時の露出計は、単なる露出チャートに毛が生えたような機械式のものが主流であったが、これは光を浴びると発電する性質を持つセレン素子を用いた電気式の露出計である。流石に現在この方式の露出計は姿を消したが、当時としては画期的な製品であった。

    使用状態のElectro Bewi露出計。

    蓋の部分の円筒形の部品の中にセレン素子が収められており、この部分を被写体に向けることで、その光量によってメーターが左右し、得られた数値から換算表を参照して適切な絞り値とシャッタースピードを割り出すことができる仕組みになっている。

    Zeiss Ikon製三脚。

    光学機器で有名なKarl Zeiss社のカメラ部門であるZeiss Ikon社製の木製折り畳み三脚。
    ノイマンSS少尉にどのような三脚が支給されたのか、リストから伺い知ることはできないが、以前入手した金属製の伸縮式三脚にたまたまヴァッフェンアムトの刻印が入っていたことがあるので、もしかするとそのタイプだったのかも知れない。

    どこにしまったのか行方不明なので、発掘し次第、紹介したいと思う。

    Zeiss Ikon刻印。

    Zeiss Ikon製の三脚は割と珍品の類である。
    特に戦前〜戦中の木製三脚で使える状態にあるものは滅多にお目にかからない。
    今後も手入れをしつつ、大事に使っていきたい。

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