Contents









SS山岳部隊

Photos of old posts


  • Warning: mysql_fetch_array() expects parameter 1 to be resource, null given in /home/vuser/7/9/0011097/www.kamerad.com/schwarz/wp-content/plugins/randomimage.php on line 516
  • Twitter Updates

    2010.01.21 | Photo Equipment

    Leica IIIc


    Leica IIIb以外にもSS-Kriegsberichterでは、IIIcも用いられていたことが判明している。
    Leica III〜IIIb迄は外観上の差異が殆どなく、写真からどの型であるかを判別するのは難しいのだが、IIIcは後述するように、幾つかの特徴を持っているので、比較的機体が鮮明に写っている写真であれば、それがIIIcであることを識別することは容易である。

    当隊でもIIIbに加え、IIIcを装備している。
    隊員各人が所有するLeica本体を合算すると、隊全体としては以下のような装備状況である。

    Leica II ×1
    Leica III ×1
    Leica IIIa ×2
    Leica IIIb ×1
    Leica IIIc ×1
    Leica IIIc赤幕 ×1
    Leica IIIcK ×1

    この中で、数的にも使用頻度的にも主力と言えるのが、IIIcシリーズである。

    ●戦中型IIIc

    Leica IIIcは1940年より製造が開始された、機体の成形が従来の板金加工からダイキャスト製法に変更された最初のモデルである。これに伴い、寸法が縦約2mm、横約3mm程大きくなったが、重量は内部の支持部品の合理化等により、IIIbと比べて約15g程軽くなっている。また、巻戻し切替えレバー下に段差がある事から、戦後型IIIcと区別するために国内では「段付きIIIc」と俗称されている。海外では「Leica IIIc 1st model」「Wartime Leica IIIc」「IIIc Wartime model」等と呼ばれているようだ。

    IIIc戦中型を特徴づけるこの段差は、IIIbで生じた巻き戻し切り替えレバー付け根の開口部から、塵等が侵入するのを防ぐために設けられたものである。同様に巻戻しノブ基部の視度補正レバー付け根の開口部を塞ぐために、この部分にも段差が設けられている。巻戻し切り替えレバー基部の段差はIIIc戦後型から再び無くなるのだが、巻戻しノブ基部の段差はIIIg型まで継承された。

    III〜IIIbに対するIIIcのもう一つの外観上の特徴は、レンズマウント部に向けて伸びたエプロンと、これと一体成形された距離計カバーとからなる軍艦部にある。このスタイルはLマウントライカの最終機となる、1957年発売のIIIg型及び、M3、M2、M1といった初期のM型ライカに継承され、M4でエプロンが廃止される迄、レンジファンダーライカの基本スタイルとなった。

    製造年代から、IIIc戦中型は大多数が軍を始めとする政府機関やナチ党関係機関に納入されたと考えられているが、1940年当時のライツ社のカタログにはIIIcの写真と価格が掲載されており、一般のドイツ国内市場にも僅かながら出回っていたようだ。また、ドイツ国外にもスイスやスウェーデンといった中立国や、当時ドイツと良好な関係にあった南米諸国に若干数が出荷されたことも知られている。敵対関係にあった英国軍用としてIIIcが存在している事も知られているが、これは恐らくそういった国々から買い付けたか、戦場でろ獲したものではないかと思わる。
    日本にもUボートで様々な兵器類と共に、30台程度のIIIcがもたらされたとする説がある。これらのIIIcは日本海軍の報道班員に支給されたようだ。恐らく当時の軍の記録等を丹念に調べれば、日本向けIIIcの番号帯を記した記録が見つかるかと思うのだが、現時点では全く不明である。従って、市場に流通しているIIIc戦中型の中にはこうしたエピソードを持つ機体が人知れず存在しているのかも知れない。

    ●戦中型IIIcヴァリエーション

    製造期間も長く、生産数も多かった戦中型IIIcには幾つかのヴァリエーションが存在しているが、その形状から、初期型と中期型と後期型に大別される。

    初期型は底蓋開閉キーが戦後のIIIcやIIIfのような鍵型をしているのと、ボディ前面の低速シャッターダイヤルに誤作動防止用のストッパーボタンが無いのが特徴である。この鍵型の開閉キーを持つ機体は1940年のロットのものに限られる。

    中期型は底蓋開閉キー形状がIIIb以前の型のような円形となり、ストッパー無しの低速シャッターダイヤルを有するのが特徴。

    後期型では底蓋開閉キーは引き続き円形だが、低速シャッターダイヤルの12時部分に小さなストッパーボタンが装備され、これを押しながらでないと、低速シャッターダイヤルを回転させられないようになっている。この低速シャッターダイヤルのストッパーボタンは戦後型IIIcの特徴と思われがちなのだが、IIIc戦中型の後期生産分から採用され、これ以降、IIIg型迄引き継がれている。

    また、戦中型IIIcには多くのドイツ軍用モデルがあることが知られている。「Heer」乃至は「Heers Eigentum」刻印入りの陸軍用、鷲章と海軍を示す「M」の文字との組合せの刻印の入った海軍用、「Luftwaffen-Eigentum」と「Fl No.3908」刻印の入った空軍用等である。これらは単に刻印上の違いだけで、内部機構は通常のモデルと特に変わる所はない。

    軍用以外のヴァリエーションとしては、耐温度変化性能実験のために赤いシャッター幕を用いた「赤幕」モデル、クローム節約のためにグレー仕上げとしたグレーモデル、赤幕同様に温度変化への対応を目的として、ボールベアリングをシャッターに組み込んだ「IIIcK」等がある。グレーやIIIcKモデルは「軍用」とされる場合が多く、実際にそれらのかなりの部分は軍で使用されたと考えられるのだが、いずれもクロームの節約や温度変化への対応といった実際的な理由によるものであり、必ずしも軍用として生産された訳ではないと思われる。

    その他、戦中型IIIcにセルフタイマーを組み込んだIIId型や、若干の改良を施して戦後生産された戦後型IIIcもヴァリエーションの一つと言えるだろう。

    Leica IIIc 赤幕モデル。

    独軍は防暑帽の裏張りを放熱効果を期待して赤や緑にしていたが、恐らく同じ理屈でシャッター幕を熱変化から守る目的で赤い素材が採用されたものと思われる。素材は米コダック社製の赤いシャッター幕で、パラシュートクロスのように目の詰まった生地である。大戦の開始と共に米国からの供給が途絶えた事に加え、期待されたような効果が無かったことから、1940年のロットを中心に、ごく少数が生産されるに留まった。

    Leica IIIc軍艦部。

    この赤幕モデルはNo.362829で、1940年のロット。
    No.360101〜367000の6900台が生産され、赤幕モデルの多くはこのロットであるようだ。

    戦中型IIIcの特徴である、巻き戻しノブと巻き上げ/巻き戻し切替レバー下の段の形状が良く分かる。


    段付IIIcの段が生じた理由。

    それぞれ左がIIIbで、右がIIIc戦中型。
    IIIbで距離計ハウジングの背が若干高くなった為に、巻戻し切り替えレバーと視度補正レバーの基部の距離計ハウジング部に、これらのレバーと内部機構とを連結する開口部が生じた。IIIc型ではこの穴を塞ぐために段差が設けられた。

    スローシャッターダイヤル形状の変遷。

    左は1940年製No.362829、右は1945年製No.390628Kのもの。
    1945年製のIIIcのスローシャッターダイヤルには、このように12時方向にストッパーが装備されている。


    底蓋開閉キー形状の変遷。

    左は1940年製No.362829、右は1945年製No.390628Kのもの。
    当社は鍵型だったのが、後に円形に簡略化されている。

    ●戦中型IIIc図解

    Comments are closed.